歯のレントゲン撮影の放射線量は、自然環境の中で受ける放射線量の約1日分です。
また1日に2000枚以上、歯のレントゲン撮影を行なっても生殖器官への影響は安全なことが証明されています。
つまり、歯の診断のために最新装置を適切に使用したレントゲン撮影が人間の体に害を与えるという科学的根拠はどこにもありません。
レ ントゲン検査は炎症・過剰歯・のう胞(膿がたまること)・腫瘍・骨の病気・埋伏歯・虫歯などを発見するために行ないますが、これらはほんの一部で隠れた病 状を的確に早期発見するために計り知れない役割を果たしているのです。レントゲンの安全性についてご理解頂けるようにお願いします。
また当院のレントゲンはヨーロッパ基準を満たした、非常に低線量のレントゲンを使用しています。
【お口全体のレントゲン写真(パノラマ)】
0.007mSV
【エックス線CT撮影】
0.004~0.013mSV
最近耳にするようになった「Tooth Wear」とは歯の咬耗、摩耗、酸蝕に代表され、虫歯、歯槽膿漏に次ぐ第3の歯科疾患として注目されています。
虫歯が歯槽膿漏のように発生機序や治療法が確立されておらず、加齢に伴って発言率が高くなる事から予防が大切です。
◆歯の酸蝕とは?◆
健康にいいとされる酸を含む飲食物を取り続けることによって、酸がエナメル質を弱体化させ、歯を薄く弱くし、白さを失ってしまった歯のことです。
歯を失う原因のほとんどは「むし歯」と「歯周病」です。
これを年代別にみると、10代から30代までは「むし歯」の比率が高く、30代以降では 「歯周病」が急激に増加します。そして、40歳頃を境にこの比率が逆転します。このため、毎日使う歯ブラシも「むし歯予防」と「歯周病予防」を年齢と合わ せて上手に替えていくことが大切です。
あなたにぴったりの歯ブラシは見つかりましたか?
歯の大きさだけ歯並びだけでなく、舌の大きさ、唇の口唇圧、歯ぐきの長さによって、歯ブラシを使い分けて選びます。当院での定期チェックの際にご相談下さい。
お子さんの歯のためにお母さんにしてほしいことは、ただ単に歯を磨いて汚れをとってあげることではありません。大切なのは、歯の汚れを取り除ける能力をお子さん自身が身につけられるよう、成長段階に応じて手助けしてあげることだと思います。
3 歳を過ぎると、お子さんは歯を磨く理由がわかるようになります。しかし、言われていやいや磨いたり、磨いてもらったりしている、というお子さんも多いので はないでしょうか。それでは、自発的に歯を磨く習慣はなかなか身につきません。そこでぜひやってみてほしいことがあります。
用意するのは、4分の1ほど水を入れた透明のコップと歯ブラシ。コップの水で歯ブラシを洗いながら、お子さんの歯を磨いてあげてください。すると、水はどんどん汚れて濁ってきます。
そこで、「ほら、見て。お口の中が汚れているから、お水がこんなになっちゃうの。お口の中にはむし歯のバイキンがこんなにいるのよ」と教えてあげてください。
お子さんはきっとびっくりして、「こんなにきたないバイキンが口の中にいるのはいやだ。退治するためにがんばって歯磨きしよう!」と、自らすすんで歯磨きをするようになるでしょう。
お子さんが大人になっても健康な歯で要られるよう、自発的なハミガキ習慣をみにつけさせてあげてください。
参考文献:小児歯科日誌
義歯(入れ歯)は毎日手入れしていますか?
手入れをしないと、カビが生えるかもしれません。細菌やカビなどがついたままの義歯を使っていると、歯ぐきが腫れるだけでなく、口内炎や潰瘍の原因になります。さらに、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるんです。
義歯の汚れは長く放置すると、とれにくくなります。毎食後と就寝前には義歯をはずし、歯ブラシや義歯用ブラシを使って汚れをこまめに落としましょう。
義歯用の洗浄剤につけておくと、より効果的です。熱湯は義歯が変形するので避けてください。
また、義歯は落とすと割れたり、クラスプ(針金)が変形して合わなくなったりします。手入れをする時は、タオルの上、もしくは洗面器に水を張るなどして行うとよいでしょう。
妊娠中は胎児への影響を心配して通常の治療をためらうことがありますので一般的な注意点をお知らせします。
1)検査:
腹部のCTスキャン、大腸のレントゲン検査は、必要ならまず産科主治医に、ご相談下さい。超音波検査は可能です。MRI検査は妊娠12週以降まず安全とされています。
2)抗生物質:
セフェム系が第一選択で、ペニシリン系、マクロライド系も安全です。ニューキノロン系は禁忌です。
3)鎮痛消炎剤:
いわゆるNSAIDSは特に妊娠中期以降は好ましくありません。初期の使用に関しても、効き目はやや弱いですが、一般名:アセトアミノフェン(製品名:カロナール、ナパなど)が安全です。
4)局所麻酔:
歯科治療でよく行われますが、可能です。妊婦とその他の人を特に区別する必要はなく、一般的な注意で可能です。
5)レントゲン撮影:
妊 娠初期の器官形成期(胎児の発育初期で、奇形が起こりうる時期)でも、通常の単純撮影であれば、奇形発生の危険な線量(閲値といいます)を越えることはま ずありません。腹部が照射野でなければ、胎児の被爆線量はほぼゼロです。ゆえに、肺炎が疑われるときの胸部単純撮影、歯科の顎のレントゲン撮影、整形外科 での手足のレントゲン撮影などは心配ありません。心理的には、お腹を隠す鉛入りの重いエプロンがあればいいかと思います。造影検査やCTスキャンは、先に 相談してください。
以上よく質問される事柄についてとりあげました。不安な事があれば産婦人科主治医と担当する医療機関に十分御相談して治療を安心して行ってください。
口腔外科を専門とする医院では必ずといっていいほど患者様からご相談を受ける疾患です。舌側縁部の表面にWaldeyer咽喉論の一環として、リンパ組織が存在します。この組織が言わば異所性に存在した時にこれを舌扁桃といいます。
頻度としては小児には発症なく、20才頃から見られ、主訴となるのは中年の女性に多いです。症状は無痛性で舌の側縁の後方に対称性に認められます。米粒大から大豆大くらいの大きさで2~3個、結節状になっている事が多いです。色は暗赤色で球状に盛り上がっている事が多いため、舌癌と思われる患者様が多いです。
治療方法は舌扁桃のある部分は舌癌の好発部位でもある事から慎重に診断しなくてはいけません。
専門医による診断が確実なら無害なものですから放置しても大丈夫です。神経質な方の場合には組織検査を行なう場合もあります。
ご自分で判断しないで、専門医に相談してみてはいかがでしょうか?
この疾患も患者様から相談を受ける事がしばしばあります。
上あごの中央部や下あごの犬歯の後ろ辺りに半球状に隆起した硬いものを触知します。
症状は痛みなく、多くは左右対称性ですが、歯ぎしりや噛み締めの強い方には徐々に大きくなる傾向があります。
治療の必要性はありませんが、入れ歯を入れられる方には、その部分は粘膜の厚みが薄い為、痛みがある場合は患者様と相談の上で切除することもあります。
グラフは、歯ぐきの病気は年齢とともに症状の重い人が増え、さらに歯のない人が増えていく様子を示しています。
最近の調査では、これまでおとなの病気とさ れていた歯ぐきの炎症が6歳で11%、10歳で43%、15歳で58%もみとめられ、小中学生にまでおよんでいることがわかりました。また、働きざかりの 10人に8人は歯周病とも言われています。
ですから、軽い炎症を放置したり、日頃から歯の衛生に無関心でいれば、歯の寿命はさらに短くなり、働きざかりが「入れ歯ざかり」になってしまうでしょう。
歯ぐきの病気になっている人の割合
問題は果糖の多量摂取
果物は、ビタミンや繊維が豊富なため、多量でなければそのまま食べる分には全く問題にはなりません。しかし果物などを食べ過ぎたり、100%ジュースといっ ても多量に飲み過ぎたり、果糖を摂り過ぎると、高トリグリセリド血症をきたす恐れがあります。
また、甘味料としてよく使われるコーンシロップは人工的にブ ドウ糖と果糖を混ぜた添加物で、特にソフトドリンクを多量に摂取すると、結果的に果糖の摂取過剰になります。そして中性脂肪やコレステロールの合成が増 え、動脈硬化症や脂質異常症の危険が高くなるといわれています。
今は糖尿病との関連も指摘されています。甘いお菓子をさけて果物の過食に走ると、健康を害 することに変わりません。どの食材でも継続して多量に摂取すれば、健康に害を及ぼすことに変わりはないのです。
<答え>
(1)カステラ=3本分
(2)メロンパン=4本分
(3)大福もち=3本分
(4)アイスクリーム=3本分
(5)ヨーグルト=2本分
(6)野菜ミックス飲料=2本分
(7)炭酸飲料=7本分
(8)スポーツドリンク=4本分
80歳で20本
健全な歯が20本以下になると、食べる力がガクッと落ちる。
おいしくかむためには何本の歯が必要ですか?
歯痛および顎関節症と誤診しやすい病気があります。十分な診断ができないと解決できない事もありますので、痛みや症状がとれない場合は専門医を受診しましょう!
最近当院で診断治療に苦慮した症例をご紹介いたします。
患者様は60才、女性
「口を大きく開けたり閉じたりすると耳のあたりが痛い」「食事をすると耳の後ろが痛む」「味の濃いものを噛みつぶすと痛い」といった具合です。
これまでに耳鼻科では異常なしと診断され、脳外科的にもCTにて問題なしと診断されていました。最近では、痛み止めを飲んでもあまり効果はなく、何もしてない時は痛みがない時もあるが、時に「ピリッ」と数十秒間激痛が走るとの事でした。
おそらく一般の歯科医は顎関節症と診断すると思います。しかし、これは神経痛の一種で舌咽神経痛という疾患なのです。
診 断の決め手となったのは、1)舌咽神経の支配領域に症状がある事、2)味刺激で舌の支配神経を刺激することで痛みが誘発される事、3)舌の奥のほうに表面 麻酔をおいて、口を開閉させる検査をすると症状が出ない事、4)痛みが激痛で数秒間続く事から舌咽神経痛と診断されたわけです。
患者様は数ヶ月間食事を採るのが怖くて悩み続けていましたが、治療後は三叉神経痛に準じた投薬を服用するだけで、日常生活に全く問題がなく、症状は軽快されている状態です。
どうぞお大事にして下さい。
◆何が原因したのでしょう
歯周病は歯垢(プラーク)中の細菌による感染症です。
◆歯周病をより悪化させるもの
お口の中の問題
・歯並びが悪い
・歯が抜けたままになっている
・歯石がついている
・食べ物がつまりやすい
からだ全体の問題
・たばこ
・ストレス
・全身疾患(糖尿病など)
風邪で熱がでた後や、体に疲れが溜まった時などに、唇にチクチク、ピリピリとした違和感・痒みをともなった小水疱が表れることがあります。これが俗に「熱の華」と呼ばれる口唇ヘルペスです。
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因で起こります。
単純ヘルペスウイルスは、感染力が強く、直接的な接触のほかにウイルスがついたタオルやグラスな どを介しても感染します。単純ヘルペスウイルスの特徴は、最初に感染(初感染)してその人に免疫ができても、機会があれば再感染や再発を繰り返すというこ とです。
大人にみられる口唇ヘルペスのほとんどが再発型で、一般に年に1~2回、多い人では数カ月に1回、精神的・肉体的ストレスにより体力や抵抗力が落ちている時 に再発がみられます。日常生活では、紫外線や激しいスポーツが誘引となるほか、徹夜で仕事をした時にもしばしば再発がみられます。
単純ヘルペスウイルスは、一度感染するとその後神経節と呼ばれる場所に潜んでいます。免疫力の低下などが誘引となり、ウイルスが再び増殖をして暴れだすこと で皮膚に症状が表れます。治療は、この暴れているウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬が使われます。一般に症状の軽い場合は、軟膏などの外用抗ウイルス 薬で治療を行ないます。違和感や熱感、腫れの強いものには早期に内服の抗ウイルス薬による治療を開始することで、1~2週間で口唇ヘルペスは治っていきま す。
症状が出ている時期は、患部に大量のウイルスが存在するので、人との接触によって感染することがあり注意が必要です。特に、新生児やウイルスに対する抗体をもっていない家族やパートナー、アトピー性皮膚炎の人、病気などで免疫機能が低下している人では感染を起こすと重症化しやすいので、くれぐれも気をつけましょう。直後の接触以外に、食器やタオルからも感染するので共用は避けてください。
自分自身でも幹部に触れた手であちこち触ると症状が広がります。眼をこするとヘルペス性の結膜炎や角膜炎を生じることがありますので、よく手を洗って眼をこすらないようにしてください。
口唇ヘルペスが疑われたら、まず早めに歯科口腔外科か皮膚科を受診し、治療に取り掛かることが大切です。早期発見、早期治療が大切です。
6月11日、陵南中学校とあいあい保育園に医院を休診し、校医として検診に行ってきました。
歯を失う原因は歯周病
10代や20代の頃は、歯を失う原因のトップはムシ歯だったのが、30代頃から急速に歯周病が増えはじめ、40代ではなんと80%もの人が歯周病で歯を失っています。
歯を失う原因の約80%が歯周病です。
定期的にチェックする患者さまと、痛い時だけ歯科医院へ受診される患者さまには、歯を失う数だけでなく、歯を失う時期にも差があるようです。
・正しいブラッシング
・歯石除去
・規則正しい生活
・バランスのとれた食事
・定期健診
定期健診を受けるか受けないかで歯の喪失本数に大きな差が出てきます。
■10年間で歯の抜ける本数
お子さんの仕上げ磨きに苦労しているお母さん、いらっしゃいませんか。
お子さんが嫌がる理由のひとつに、苦しいというのがあります。長時間歯ブラシを口の中に入れられていると、唾液がたまり苦しくなります。
仕上げ磨きのポイントは1、2、3と数えたら一度歯ブラシを口から抜いてあげるなど、休み休み磨くこと です。ぜひ、心がけてください。
また、口の中を触れられることに慣れていないという理由もあります。生後すぐの赤ちゃんは、口もとに固形物を近づけると舌を出して押し返そうとします。これは母乳以外の異物の侵入をさけるための本能的な反射です。
生後4カ月頃から次第にこの感覚は鈍化し、固形物も受け入れられるようになります。
口が本来、そのような敏感な空間であることを、ぜひお母さんも認識して、まずは口の中を触れられることに慣らしてあげましょう。
歯が生える前から、遊びの延長として奥歯の噛み合わせの部分の歯ぐきを、指先でこちょこちょと触ってあげる。こうして触られることに慣れると、仕上げ磨きへの抵抗も減るでしょう。
ま た、気付いていらっしゃらないかもしれませんが「磨くぞ」と意気込むお母さんは、緊張で怖い顔になり、歯ブラシを持つ手にも力が入っています。子どもはそれを敏感に察知し「仕上げ磨きは嫌なこと」という先入観を持ちます。
ぜひ、お母さんご自身も、リラックスして磨いてあげてください。
医療法人内藤会 ないとう歯科クリニック
http://www.naito-dc.com/
院長 髙橋 夏輝